縄文土器、石器時代の洞窟画、アフリカ美術などの素朴な力強さにピカッーーと打たれたってな、たぶんよくあるパターンなのですが・・・
ミラノのアンブロジアーナ美術館で10世紀ごろの彫刻(左画像)をみたとき、そうしたたぐいの新鮮なおどろきをおぼえました。10世紀ですから、これはもう、、ロンゴバルドの彫刻ですね。
ロンゴバルドと言うのは、5、6世紀ごろの民族大移動のときに、東ヨーロッパあたりから大挙してイタリアに押し寄せた民族で、北イタリア人の主要な祖先のひとつです。(ちなみに、ミラノがあるあたりの平野はロンバルディア平野といいます。)
そもそも・・・イタリア半島はさまざまな民族が歴史的に入り混じってきたところで、つい最近までさまざまな国が連立し(〜1861年)、国が違うという以上に文化そのものがひじょうに異なっていました。
とーぜん、ルネサンス時代も、またそれ以降においても、『イタリア』などというものは存在せず、各地に独特の文化があったのです。フィレンツェと、たとえば北イタリアの文化は、そのルーツにおいてかなり異なっていました。
つぎの2作品は、1400〜1500年代初頭に描かれた北イタリアのフレスコ画です。(これもアンブロジアーナ美術館)
こうした作品を見ていると、、、北イタリアの文化がもっていた素朴さがじぃーーんとつたわってくるとともに・・・たとえば、ローマの文化などとはまるでちがう、むしろ北方民族に近いとおもわれる『リアリズム』を、直感的に感じさせるものがあります。
フト、美術史家ロベルト・ロンギが言っていたコトバが脳裏をよぎりました。
「カラヴァッジョがああいうふうに現実的な絵を描いたのは、それが北イタリアの伝統だったからで、やれ、足がきたないの売春婦みたいたのってイチャモンをつけたのは、ローマのニンゲンが野暮だったから。」
(2004.02.27.)
※ カラヴァッジョ(1571- 1610)は北イタリアの出身。
※ 写真には拡大画像がついています。