Jean Dubuffet 1901-86
芸術とは常に、ささやかな笑いと、少しばかりの恐怖を生むものでなければならない。まさしくそうだ。だが決して退屈させるものであってはならない。 (略) 作品が特異であれば、それが呼びおこす笑いも大きいものであるだろう。 − デュビュッフェ
(『絵はだれでも描ける/谷川晃一/NHK出版』より)
色彩もタッチも異なるようにみえるマルやサンカク、ハチャメチャに交錯する線が・・というよりもコドモがいきあたりばったりに落書きしたかのような、そんな宇宙人みたいなヒトと背景が、デュビュッフェの絵には所狭しと描かれている。『落書きがキャンバスじゅうを埋め尽くしている』と言ったほうがふさわしいかもしれない。
それでいて、デュビュッフェの絵にはどれもゴテゴテとした感じがない。わざとらしさも計算も感じられない。絵みずからがその場でたのしんでいるような・・イキイキとした不思議な存在感に、おもわず引き込まれる。
デュビュッフェ作品
http://www.waddington-galleries.com/ARTIS..
(Waddington Galleries, London)
デュビュッフェ作品に描き込まれたおびただしい線の群れが、たのしくてたのしくて仕方がなくて、あっちにこっちにうごきまわっているようなみずみずしさまでは、ザンネンながらデジタル画像ではあまり伝わってこない。このワディントン・ギャラリーHPの作品は、一辺が1メートルぐらいか、またはそれ以上の大きな作品(アクリル画)。以下は作品タイトル:
Passe Cortege:行列/Paysage au chateau (avec 3 personnages) :城のある風景(ひと3人)/Site agreste:田園★Site avec 2 personnages:ひと2人/Site avec trois personnages:ひと3人/Inspection du territoire:テリトリー視察★Mire G 31 (Kowloon):照準 G 31(カオルーン)/Mire G 121 (Bolero):照準 G 121(ボレロ)★Donnee:与えられたもの/Donnee:与えられたもの/Champ d'expansion:領土拡張
こういう手合いの作品の場合、デフォルメされたヒトの顔はしごく妖怪奇々としてきて、どちらかというと、これでもかーこれでもかーとニンゲンの毒々しい部分が吐き出されていることのほうが多いようにおもう。(そして、そういうものを作品に求めているひとたちももちろんいる。)ところがデュビュッフェ作品はまったくそのぎゃくで、どこまでも『ポジティヴ』だ。
『ポジティヴ』と言うのは、『陽気』とか『前向き』というのとはちょっとちがう。なぜなら『陽気』は『陰気』と背中合わせで、つねに交代にやってくる。『前向き』という言葉には、どことなく意志みたいなものをかんじてしまう。
デュビュッフェ作品の『ポジティヴさ』は、心の底から自然に湧きあがってくるけっしてムリがない喜びで、そういうものをそのままよどみなく表現しているというところが、たぶんデュビュッフェ作品の力強さなのかもしれない。
ミンチカ
デュビュッフェさんって、頭の中もあんなんなんかなあ。。。直感的な疑問です★
梁井朗
いいですよね。なんか、ピカソ−マティス−デュシャン−抽象表現主義という20世紀美術の歴史に位置付けにくい画家ですが、絵がたたえている思想の重みみたいなものは、ほかの美術家にくらべてもなかなかすごいと思います。
えかきのき
ピカソが1881年生まれで、デュビュッフェはそれから20年後の1901年生まれです。そういうことから考えると、デュビュッフェの表現方法はそれほど突飛ではないのかもしれない。それにしても、デュビュッフェはもっと最近のアーティストだったのではないかとおもえるような、そんなあたらしさをすごく感じます。
それと構図的なおもしろさ・・ムンクの作品画像をまず最初に出しておいて、それがビヨョ〜ンってデュビュッフェの作品にすりかわったら、おもしろいんじゃないだろうか・・みたいな。
デュビュッフェ協会(Fondation Dubuffet)
http://www.dubuffetfondation.com/
フランス語ですが、【Son Oeuvre】=作品集を開けてください。あとは見易く、単純に年代順になっています。
デュビュッフェ略歴(2001年ポンピドゥ・センターでの回顧展風景)
http://members.ld.infoseek.co.jp/outsiderart..
(アウトサイダーアートの世界)
■ ブリヂストン美術館:デュビュッフェ作品が所蔵されています。
■ Waddington
Galleries(London)
■ アウトサイダー・アート
(2002.07.03.)(2003.04.12. 点検)