シェクスピアが活躍していた1500年代後半、イギリスにはエリザベス女王が君臨していた。ヨーロッパでは、いたるところでプロテスタントとカソリックの血に血を塗る争い・・・
映画・・・「恋に落ちたシェクスピア(1998・米)」「エリザベス(1998・英)」・・・!
※ エリザベス1世 (Elizabeth I 1533-1603:在位1558-1603)ヘンリー8世の2番目の妃アン・ブリンの子。生涯結婚しなかった。スペイン無敵艦隊を破る。
で、その時代の画家っていうと?
ホルバインが、エリザベスの父親ヘンリー8世時代宮廷にいて、トマス・モア、エラスムスらの肖像画を描いています。
Hans Holbein der Jungere(1497/98-1543)
ドイツ人。ペストで死亡。作品の大部分は1666年のロンドン大火で消失。
http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/h/holb..
(Web Gallery of Art)
※ ヘンリー8世 Henry VIII (エリザベスの父親:1491-1547) 6人の妃を入れ替え差し換えしたことでも有名。アン・ブリンと結婚するためにローマ教会と手を切り国教会(アングリカン・チャーチ)を創設。みずから首長となった。
※ トマス・モア Thomas More (1477ごろ-1535) ヘンリー8世の宮廷人。エリザベスの母親アン・ブリンとの結婚に反対してヘンリー8世に処刑された。「ユートピア」
※ エラスムス Desiderius Erasumus von Rotterdam (1469?-1536) トマス・モアの友だち。画家のホルバインをヘンリー8世に紹介する。「愚神礼讃」
また、エリザベスのあとを継いだジェイムズ1世の息子チャールズ1世はマントヴァ公のコレクションを買い取り、ルーベンスに天井画を描かせ、ルーベンスの弟子アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony Van Dyck 1599-1641/フランドル )を10年間宮廷においていました。
Pieter Paul Rubens(1577-1640)
http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/r/rube..
(Web Gallery of Art)
Anthony Van Dyck(1599-1641)
フランドルの画家。英国肖像画の土台を築いたとされる。
http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/d/dyc..(Web Gallery of Art)
※ ジェイムズ1世 James (1566-1625) エリザベス1世が処刑したスコットランド女王メアリーの子。エリザベスのあとを継いで王位につく。
※ チャールズ1世 Charles (1600-49) ジェイムズ1世の子。オリヴァー・クロムウェルに処刑される。(ピューリタン革命)
ではイタリアには、どんな画家がいた、、?
1500年代後半というと、レオナルド・ダ・ヴィンチもラファエッロもとっくに死んでいます。ミケランジェロとティツィアーノはまだ生きていましたがすでに高齢。ルネサンスはとっくに終わっています。
「マニエリスム」のコレッジョ、ポントルモ、パルミジャニーノも、エリザベス1世が即位した1558年にはもうこの世にいません。そのころアクティヴに活動していたのはティントレット(1518-94)、アルチンボルド(1527-93:左画像)、ヴェロネーゼ(1528-88)・・・
エリザベス女王と年が近いのは、アルチンボルドとヴェロネーゼです。ティントレットは・・いくらそのころ活躍していたといっても、エリザベスとは14才、シェクスピア(1564-1616)とは45才も、さらに年がうえです。
アルチンボルドは、チェコ・プラハの宮廷で25年間働いていました。独特な画風は、、そのためにかえって、エリザベス治世時代のイメージに近いような気がしないでもない。ヴェロネーゼも、、分からなくもない。
チョイマチ!シェクスピアが活躍していたのはエリザベス治世下ですが・・・シェクスピアとエリザベスは、年で言うと30才ぐらいちがうのですね。25才でエリザベスが女王になって、その6年後にシェクスピアが生まれています。これはおっきい!
シェクスピアはバラ戦争(1455-85)、ヘンリー8世といった過去の出来事をモチーフに戯曲を書いているので、どうしても、「シェクスピアが生きていた時代より以前の時代のイメージ」のほうが強いのですが、じっさいにシェクスピアが生きていたのはヘンリー8世亡きあと、娘エリザベス1世の時代で、作品の躍動感は1500年代後半のもの・・・
それと、シェクスピアと言うとあまりにもイメージが強烈で、それだけでひとつの世界ができあがっていて、同時代のほかの芸術家たちの姿がふっ飛んでしまうようなところがあり・・・・「シェクスピアとおなじ空気を吸いながら絵を描いていたのは誰?」となると、なにか雲につつまれたカンジになってしまう。
シェクスピアとおなじ頃に生まれたのが・・アンニーバレ・カラッチ(左画像)、アルテミジア・ジェンティレスキの父親オラツィオ・ジェンティレスキ(1563-1638)。バロックのながれをつくったカラッチやグイド・レーニ(1575-1642)、、、んっ、、ということは、
カラヴァッジョ!
あ〜〜、、それなら分かるような気がする。。シェクスピア作品の痛快さは、するどい剣でメッタ切りにしたカラヴァッジョの痛快さ!そっかぁ、、そっかぁ、バロックばんざ〜い!!
■ アルチンボルド
■ ヴェロネーゼ
■ ティントレット
■ カラッチ
■ オラツィオ・ジェンティレスキ
■ グイード・レーニ
■ カラヴァッジョ(1571-1610)
※ ファイル中の画像: (上) カラヴァッジョ「聖マテオの」1599-60/San Luigi dei Francesi, Roma (中) アルチンボルド/1591/Skoklosters Slott. ストックホルム (下) 「マメを食う男」アンニーバレ・カラッチ/1584年/Galleria Colonna, Roma
(2002.04.07.)(2003.01.12. 見直し)(2004.11.12. 見回り)(2004.12.09. 見回り)