Giovanni Fattori 1825-1908
ファットーリ、、、イタリア近代絵画では注目すべき作家のひとりですが、イタリア以外での知名度はそんなに高くないですね。
ファットーリは、モディリアーニ(Amedeo Modigliani 1884-1920)がリヴォルノ(モディリアーニの生誕地)のアカデミーで学んでいたときの先生です。そして、パリの印象派とおなじような時期に、ほぼおなじようなこころみをフィレンツェでしていたマッキアイオーリのひとりです。
マッキアイオーリが盛り上がっていた1860年前後というのは、イタリアではちょうど独立戦争の最中でもありました(イタリアの国家統一は1861年)。第一次、二次、三次(いくつあんの?)とかの独立戦争があって、マッキアイオーリのなかにも戦争に参加した者、参加しようとしてママにダメと言われた人など、いろいろです。
ファットーリは戦争には行かなかったけれど、兵隊さんたちをたくさん描いています。いわゆる戦争画。
近代の戦争画はえてして、大作品における群像のコンポジションに絵描きがひとり悦にひたっているとか、あるいはなんかが理想化されていたりとか・・・いずれにしてもどこか意図のようなものが感じられて純粋に絵としてたのしめない見るにたえないリアリズム、なんて勝手な思い込みがあるのですが・・・
しかしファットーリの兵隊さんたちには、そういうのがありません。イキがったところがこれっぽっちもない。純粋に絵画的な視点から、疲れた兵隊さんたちがタンタンと描かれています。
ファットーリは兵隊さんばかりを描いていたわけではありませんが(たとえば牛の絵・・!)、いずれにしてもファットーリの作品はいつもすごくノビノビしている。そしてそういうバツグンのノビノビさぐあいのために、マッキアイオーリというひとつの文脈からは飛び出してしまっているようにさえみえるかもしれません。(「ファットーリは正確にはマッキアイオーリではない」と言うひとがいるのもまさにそのためではない?なんておもったりもします。)
ところでファットーリは、国際的なメダルとかをいくつももらったりしているのですが、それでいてハデなところがなく・・・フィレンツェとかの中心に居座るふうもなくリヴォルノにひっ込んでみたり・・・晩年にいたるまで創作意欲が旺盛で・・・ファットーリを師として慕っているひとがたくさんいて(モディリアーニもそう)・・・
ネ、ネ、そういうパーソナリティーが、15世紀の画家、ピエーロ・デッラ・フランチェスカにちょっと重なりませんか?
(2004.03.15. 『マッキアイオーリってなに?』より分割)
※ ファイルン中の画像: (上) 『荷車をひく雄牛(1867年)』部分 (下) 『歩哨(1872年)』(個人所蔵ローマ)
※ ローマの現代美術館(Galleria Nazionale d"Arte Moderna)にある何メートル四方もある戦場風景・・・あれだけ大きくなると、いくらファットーリでもテーマのほうが前面に出ちゃって、ザンネンながらファットーリらしさは感じられない、です。
■ マッキアイオーリってなに?
■ マッキアイオーリ作品集
■ マッキアイオーリ作品にふれている(パウロ2世美術館展)
■ モディリアーニの先生ファットーリ