EKAKINOKI

美とミゼリーのせめぎあい

グスタフ・クリムト
Gustav Klimt(1862 - 1918)

クリムトというと「愛」「エロス」「世紀末」「生と死」といった言葉がすぐにも想い出され、そういうイメージのほうが先行してしまったりもするのですが・・・でも、「お先がないので好きなことするのよ」みたいな閉じられた空間や時間のイメージをはるかに越えたクリムト作品の存在感は、見るひとをくぎづけにします。

左の作品は、ウィーン美術史美術館にある1907‐1908年の作品『接吻』です。クリムトを代表する作品のひとつだとおもいますが、こうした一連のクリムト作品の魅力には、「美」と「ミゼリー(悲惨さ)」のはげしいせめぎ合いがあると、感じることがあります。

「ミゼリー」とは悲惨さのことですが、じぶんの力ではどうにもならない、時代的社会的な悲惨さです。クリムトが活躍していたのはおもに第一次大戦前ですが、いっぽうでは共産主義思想がいろいろなところで頭をもたげてきたころですから、世界はそれなりに厳しい現実をかかえていたとおもわれます。

この偉大なウィーンのアーティストは、やがて第一次大戦にいたるそうした世界の悲惨さを、すでに鋭く感じとっていたのでしょうか?抽象がかった作品の構成には、現代社会の一隅に閉じ込められたニンゲンのストレスのようなものさえ感じとれます。

ただ、クリムト作品の「ミゼリー」はけっして逃げの「ミゼリー」ではありません。現実に対してきわめて悲観的で逃亡の場所を「愛」や「美」に求める、そういうのもかんがえられるわけですが・・・クリムト作品では、モンダイだらけの現実がきわめて自然に受け止められ、表現されています。クリムトのそういう部分がまず現代人の共感を呼ぶのではないでしょうか?

したがってクリムト作品には「ミゼリー」もあるし「美」もある。このふたつを「はげしいせめぎ合い」と感じるのも勝手だし、いっぽうで「切なくて胸キュン」というひともいるとおもいます。たぶん、、、クリムト作品を指して「エロス」というのはそこらへんからきてる?多くの女性がクリムト作品に惹かれるのもやはりそういうこと?・・・・・なのかなぁ〜〜?

(2002.08.02.)(2004.03.10. 書き改め)

クリムトの作品がでているサイト (EXPO-SHOP.COM)
http://www.expo-klimt.com/1_5.cfm

クリムトかんれんファイル

■ クリムト/美とミゼリーのせめぎあい
■ クリムトとメドゥーサ
■ クリムトと金箔
■ クリムト、シーレ、ココシュカはウィーンの三羽烏

BBSより

(2002.08.)

ミンチカ

エロス!の世界が好きです♪「エロス」って言っても「エロ」では無いですよ〜。純粋な「エロス」。「エロ」くない「エロス」の世界です。解かります〜?『接吻』にしたって、kissと言うより全体的な溶けてしまいそうな抱擁のイメージがするでしょう。。。

えかきのき

少女マンガの世界で・・・超人的にカッコよくて、テニス部のキャプテンやってる男にときめいちゃう女子部員のラヴ・ストーリーみたいなの・・・あれって『エロ』がない『エロス』?ミンチカさんが言う『純粋なエロス』にちかい・・?

そういうことなのかな・・多くの女性がクリムトにかんじるエロスって?

オレ、好きじゃないな、これ。
もしエロスっていうんなら、興奮したい見て。
こう、見てて血が沸いてこないんだ。
話の腰、折っちゃったね。

ミンチカ

人それぞれの「エロスの世界」ですか。。。だいたい僕は自分にとっての「エロス」の意味がよく解からない〜★のに、「エロスの世界」デッス!って紹介するのはいい加減だなぁと思って、・・・・・

なぜ僕が『接吻』が好きかと申しますと、作品の放つ「愛の雰囲気」とテンペラに通じる金箔銀箔の装飾技術が興味深いからです。・・・・・

絵画 ロシア イタリア