Vittore Carpaccio 1460/65-1525/26 Venezia
ヴェネツィアのアカデミア美術館(Gallerie dell'Accademia)にある絵巻物のような大作品・・・ヴェネツィア共和国の来航使節の図とか・・・あれがカルパッチョ。
カルパッチョ作品は物語り性に富んでいて、映画のひとコマひとコマのようでもあり、風俗絵巻みたいで、現代人の目には、宗教をあまり意識させない。、、、??
そう。たとえばカルパッチョの代表作「聖ウルスラ伝」は、たしかに聖書を題材にした作品ではあるけれど、従来の宗教画を越えたリアリズムがそこにはある。細部には、共感がもてる描写がそこここにあったりする。
ほぼ同時代のフィレンツェでは、ボッティチェッリ(1444/45-1510)が、やはり宗教的ではない、ギリシャ神話をテーマにした作品をさかんに描いていたし、こういうのも・・・ルネサンスの特徴のひとつ、だな。
カルパッチョが「東洋もの(ターバンを頭に巻いたひとたち)」を描いたのは、ベッリーニの兄ジェンティーレ・ベッリーニとともにコンスタンチノープルに行ったからではないか・・・・な〜んていうひともいる。
「デカ靴(Scharpaza)」の通称で親しまれていたカルパッチョ・・・しかしやがて、ベッリーニ工房にいた後出のティツィアーノ(1488-1576)の後塵を拝するようになり、晩年はベルガモやイストリア地方で仕事をするようになった・・・
というのは、通説、、、ところが、プリーモ・カザリーニ氏の切り口はおもしろい・・・
以下要約・・・
そもそもカルパッチョはその出自があきらかでない。どこのだれだったのか、だれに師事したのか、どのように画家になったのか、なにもわかっていない。もしかすると、かなり風変わりな人物だったかもしれない。
いっぽうで、カルパッチョは好奇心旺盛なオトコだった。
たとえばスキアヴォーニ教会の仕事でも、伝説描写の背後には、じっさいに聖ヒエロニムス伝を読んでいたカルパッチョの想像の翼が随所でときはなたれている。だから、、カルパッチョ作品にはいつも予期しないナニカがある。
さらに・・・カルパッチョの世界は、1700年代のヴェネツィア画派、カナレット、グアルディ、ロンギらにつながっていくものがある。
スキアヴォーニ教会の仕事を終えたあとぐらいから、カルパッチョは創作危機におちいった。
とはいっても、、いまはベルリンとニューヨークにある「死せるキリスト」や、ヴェネツィアのパラッツォ・ドゥカーレにある聖マルコの獅子などをみると、カルパッチョの創作意欲は、けっして衰えてはいない。
ところが、、カルパッチョの場合は、地方にくだっていく、、いつ死んだのかさえあきらかではない。
・・・要約おわり
Primo Casalini/La Scuola degli Schiavoni a Venezia (イタリア語・・画像もおもしろい)
http://www.arengario.net/momenti/momenti01.html
(Arengario.net)
カルパッチョのニンゲン像が、多少なりともほうふつとしてきます。結果的にはティツィアーノに押されたというかたちになったかもしれないけれど、カルパッチョの性格みたいのも、あったのかもしれないな〜。
前菜の「カルパッチョ(オリーブオイル、塩・胡椒、レモン汁、ハーブなどでマリネした薄切りの牛肉)」?
あれは、ヴェネツィアのハリーズ・バール(Calle Vallerasso:ヘミングウェイがマルティニひっかけていたという店)が考案して、巨匠カルパッチョにあやかった、んだそう。。
カルパッチョ作品
http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/c/carpacci/
(2000.12.17. 加筆)(2001.11.29. 加筆)(2003.01.03. 点検)(2004.12.15. 見回り)
※ ファイル中の画像: (上) カルパッチョ作品部分 1495 Gallerie dell'Academia(ヴェネツィア) (下段左) 「聖家族(部分)」 1505 Gulbenkian Foundation, Lisbon (下段右) (部分)Staatliche Museen, Berlin
※ La Scuola di Sant'Orsola 教会に描かれた「聖ウルスラ伝」は、現在、Le Gallerie dell'Accademia にあります。 1490年(第1作目)から数年にわたって制作。
※ ヴェネツィアでのさいごのころの仕事が、サン・ヴィターレ教会(San Vitale/San Vidal)にあります。
サン・ジョルジョ・デッリ・スキアヴォーニ教会(ヴェネツィア)はダルマチア人のコミュニティーだった。ここの仕事を請け負っていたのがカルパッチョ。(1502-07)
http://digilander.libero.it/veneziacinquecento..
■ カルパッチョの工房