Antonello da Messina (1430?-1479)
Photo coutesy of mashiro
どんなにすぐれた画家でも、帰っていく場所、雨露ふせげる屋根、家族、職場、仕事がらみの人間関係があり、あるいはどこかで艶聞かスキャンダルか裁判ざたをひき起こしていたり、そういう社会的なしがらみから、かりに何百年たってもそのひとの足跡をたどることができる。
でもそういうのがあまりないひとの場合、たとえばメッシーナのようにじぶんの目的のほうを優先させてあっちこっち移動していたようなひとの場合、その足跡はナゾのままになってしまうのかもしれない。
メッシーナはイタリアに油彩画技法をもたらしたといわれ、またメッシーナの情熱も、まさに油彩画をきわめることにあったようにおもえる。たぶんメッシーナは、その過程で、まだだれも見たことがない世界をみることに夢中になっていたのではない?メッシーナが描いた無名人の肖像画を見るたびに、そういう情熱がビンビンとつたわってくる。
だけど・・・・・ふつうは、「ああ、アレがしたい、コレがしたい、、」とおもっても、なかなかそれを実行にうつせない。メッシーナのように素直に情熱に耳を傾け、じぶんがしたいことをし、必要があればウルビーノに、ヴェネツィアに、あるいはフランドル地方に行ったとか行かなかったとか、、、ひょっこりぽっかり現れては歓迎され、、、
「世の中、ジツリョクだよ、ジツリョク。」「そのジツリョクがないからこまっちゃうの。」って会話は、たぶん、メッシーナにはわからないだろうなぁ。。。
(2004.07.11.)
※ このファイルの2作品はともにルーヴル美術館所蔵。 ルーヴル美術館のガラスのピラミッドが完成したのが1989年、リニューアルが完全に終わったのが1993年。そのリニューアルに汗をながしていたひとたちの姿をフィルムにおさめたニコラ・フィリベール監督の「パリ・ルーヴル美術館の秘密(1990年)」って映画、見ました?
■ フランドル派から学んだシチリアーノ
■ アントネッロに捧げるボチェッリの歌
□ ルーヴル美術館のダ・メッシーナ作品
■ ヴァザーリの美術史どこまでホント?