バルセロナ・ピカソ美術館作品 / 2002.09.21.〜12.08.
「えっ、これもピカソ!?」「はい。14歳の時の作品です」
これは、いま上野の森美術館で催されているピカソ展のキャッチ・フレーズです。京都国立博物館『大レンブラント展』の「見ないと絶対乗り遅れる!」には負けてますが・・・なんでこうなるの、、というキャッチ・フレーズ・・・
バルセロナのピカソ美術館コレクション
http://www.museupicasso.bcn.es/eng/collection/index_collec.htm
1896 / Museo Picasso de Barcelona
展示作品は、ピカソ(1881-1973)22歳までのおもにデッサンと習作。(ピカソは1904年、22歳のときパリへ。)大作品は、この14歳のときのクラシックな作品『初聖体拝領』一点だけ。(どちらかというと記念的・記録的な作品・・。)『青の時代』にさしかかった作品が2点あって、『髪を束ねた女(水彩:1903年−21歳)』はすこし目を引きました。
でもひっかかる、このキャッチ・フレーズ・・・
なにがいいたいんだろう、、?「14歳ですでに大人顔負けの作品を描いていた・・だから天才」ってこと、、?しかし、ピカソでなくとも、若くして技術的にすぐれていたアーティストはいっぱいいました!でもそんなのは偉大でもなんでもないし、、ピカソが偉大なのも、そのあとピカソがなにをしたか、でしょ?
「ボクははじめラファエロのように描いていたんだ。こどものように描けるようになるのに一生かかった。」有名なピカソの言葉です。ピカソの天才性もまた、「ラファエロのように描ける」ということではなく、「こどものように描けるようになった」というところにある。
それとも・・・もしかするとこの展示会は、ピカソの初期作品を通して「天才の片鱗」を誰にでも分かり易く見せるというところにあるのでしょうか?なら、もっとそのことが前面に出ている展示会であってもよかった。
どこに「ピカソらしさ」があって、のちのピカソにつながっていく「天才の片鱗」をどこに感じるのか・・・そういうキュレーター(展示会企画者)の主張がみえるほうが、もっとおもしろかったとおもう。そういう工夫をしてほしかった。
それはけっして『キュレーターの見方のおしつけ』ではなく、ひとつの見方の提起であって、モンダイ提起であって、見るひとにとってもなにかをかんがえるきっかけになるし、ひとつの知的刺激だとおもう。
ピカソのことをよく知っているひとたちにとっては、「ああやはりピカソらしいなあ」とか、そういう発見があっておもしろい展示会だったかもしれない。
でもそんなのはごくひとにぎりのひとたちで、ふつうのひとがピカソ展に行ってたくさんのピカソ作品にガチンコでふれるのは、せいぜい一生に数回ってとこ。
そういう一般のひとたちを相手にして、ピカソの初期作品をただたんに『愛』とか『死』とかテーマ別に並べただけでは、、すこ〜しムリがあるよ。
(2002.10.23.)(2005.01.16. 見回り)
※ 2003年9月20日〜12月7日、おなじ上野の森美術館でピカソ展の第二段『ピカソ・クラシック』が予定されています。(フランス:ピカソ美術館/ポンピドー・センター/オランジェリー美術館 バルセロナ:ピカソ美術館)