細野不二彦著 / 1999年 / 小学館
おもろいとこ・・・
(1) 美術そのものがテーマのマンガなんてあんましないから、おもしろい。
(2) マンガなのでおもしろい。つづきがあればもちろん読んじゃう。(あるみたいネ)
(3) 主人公フジタはフェイク(贋作)ギャラリーをやっていて、裏ではすごい名画を取引きしたりしているのですが、で、その名画がときとしてフジタのギャラリーにあったりして、尋ねられると、「えっ、、?これ?フェイク。」とかとぼけたり・・・・・この設定がおもしろい。
欧米ではフェイクはひとつのカテゴリー。フェイクにもいろいろあって、ティツアーノ作品の17世紀に描かれたフェイクとか、フェイクだけの展示会とかもあって、けっこうおもしろいよ。
(4) フジタは、いろんなコネクション(あやしげな)をつかって、行方不明になっていた名画をスンナリと手に入れたりする。それらの名画は、フジタのきまぐれでチャッカリ美術館におさまったり、またどこかにながれたりするんだけど、だれもそのプロセスには気づかない。
・・・こういうのって、じっさいにかなりあり得るはなしだとおもう。
モネの「つみわら」のほんものを、アパートの管理人のじっちゃんがフジタからフェイクの値段で買って、酒飲みながらコタツでながめてるってのも笑える。そもそもフェイクかそうじゃないかなんて、99、9%のひとが確信もって言えないよ。
(5) フジタのキャッチフレーズ、「芸術に魂を売った男」はおもろい。
すきでないとこ・・・
(1) ヒーロー(フジタも元キュレーター)とヒロインの設定がダサイ。かれらはけっきょく「鑑識に精通したプロ」でしかない。(アメリカの某美術館でキュレーターをやってたというハクまでつけてる。)もちろん鑑識センモンのキュレーターだっているわけだけど、「美術界に新風を巻き起こすキュレーター」とか「美術界のジャンヌ・ダルク」とかいう設定からすると、ちょっとギャップがある。
たとえばヒロインが「美術界の腐敗を一掃する」と息巻いてるわりには、一掃するのは過去の名画にまつわるはなしばかりで、生きているアートはどこにもでてこない。生きているアートとどう接していくかというモンダイを抜きにして、新進気鋭のキュレーターは語れないよ。
(2) ヒーローとヒロインがステレオタイプ的にかっこよすぎる。もうちょっとかれらのパーソナリティーに気をつかってほしかった。キュレーターでしょ〜?「ゴルゴ13」じゃないんだから、、
(2004.06.30.)
■ ギャラリー・フェイク選集