ビザンチンの残照を追って
南川三治郎著 / 河出書房新社
写真集なんだから、写真はよくてアタリマエ?そっかぁ〜??技術的にはそうかもしれないけど・・
キレイキレイなだけの写真集、妙にセンチで旅情をあおりまくる写真集、もういいよってぐらい荘厳さ一点張りの写真集・・・みてくれはリッパでもじつはあまり親しみを感じない、さいしょから飽きちゃうみたいな・・・そういう写真集はけっこうある。
写真集にもいろいろあるけれど、なにかを紹介しようというのなら・・写真技術だけではなく、撮影者自身あるていど内容を咀嚼(そしゃく)し、その懐にとび込み、そしてそういうのがとーぜん写真の魅力にカンケイしてくるとおもう。
・・・ってなことをフト感じたほどに、南川氏の写真集『イコンの道』は写真が魅力的でした。
イコンのひとつひとつが、写真集をひらいてはみるたびに、じつにさまざまな表情をみせてくれます。たぶん、南川氏のイコンに寄せるおもいが、幾重にも折りかさなったイコンの表情をえぐりとっているのかもしれない。
イコンをめぐる旅は、シナイ山(エジプト)の聖カテリーナ修道院からはじまって、ギリシャ、トルコ、ラヴェンナ、ヴェネツィア、ルーマニア、ブルガリア、マケドニア、ウクライナ、ロシア、とかけめぐります。
それもたんに有名どころを羅列したのではなく、南川氏がそれらの場所にたどり着いたキッカケはなんだったのか、ナニに惹かれたのか・・そういうのも、南川氏はちゃんと書いてくれています。
定価12360円・・・う〜ん、手元に置いておきた〜い。(ちなみに上の画像は、図書館で借りた南川氏の『イコンの道』。)
(2003.11.24.)
※ 南川三治郎(みなみかわさんじろう)氏の作品には・・『アトリエの巨匠100人(新潮社)』『世紀末ウィーンを歩く(新潮社)』『ヨーロッパの貴族と令嬢たち』『皇妃エリザベート − その名はシシィ』『恋と美の狩人 エカテリーナ』(河出書房新社)など。