Irena Machitski
イリーナ・マシーツカヤの個展『球体の音楽』はかなりたのしめました。
マシーツカヤ展風景
場所: ドム・フドージニカ/モスクワ 2002.10.15-11.10
http://www.imachitski-art.com/exh.html
展示会場の照明はグッとおさえられ、そのなかでアブストラクトな作品にスポットライトが的確に与えられていました。「それがどうした?!」とおもわれるかもしれませんが、こういう『演出』はロシアではけっこうめずらしんです。
それだけロシアでは、コンセプショナルなアートが少ないということなのかもしれません。また自由奔放な表現の度合いにおいても、マシーツカヤ作品には、ロシアとヨーロッパのはざまでどっちつかずに漂っているのではない『はばかりのなさ』がありました。
モスクワでこういう展示会に遭遇したこと自体が、とても嬉しく感じられたのです。
展示会のタイトル『球体の音楽』からは、音楽を絵画で表現しようとしたカンディンスキーのことを思い出します。
カンディンスキーがどれだけその意図を実現できたかには疑問を感じますが、マシーツカヤの作品に囲まれていて感じるリズミカルな躍動感は、『音楽的』という意味でなら、カンディンスキー作品をはるかにしのいで、見ているひとをたのしませてくれます。
絵画的に、マシーツカヤ作品にカンディンスキーやマレーヴィッチの片鱗を認めるのはむずかしくありません。しかしそれは、カンディンスキーやマレーヴィッチのたんなる影響というのではなく、新しい時代の洗礼を受けてさらに一歩先を行った力強さをもっているように感じられました。
『青系』と、それに反駁(はんばく)するような『オレンジ系』の配色とか、また作品の質感などには・・もしかするとイコンの影響をも指摘するひともいるかもしれません。
マシーツカヤ作品
http://www.imachitski-art.com/gallery.html
マシーツカヤ(イルクーツク生)は建築家としての教育を受けたのち、ロンドンでインテリアの仕事をこなしていました。(マーガレット・サッチャーの依頼も受けていたそうです。)マシーツカヤが絵を描き始めたのは2〜3年前からですから、マシーツカヤの作品構成は、おもにそのころの経験が基になっていると考えられます。
(2002.11.09. Moscow)
マシーツカヤHP(トップページ)
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